Interview Fluency Lab 放送実務スクール/東中野 見学を申し込む

「なるほど」を1回に減らすと、相手は勝手に喋り出す

授業のW05は、相槌だけを扱います。ここだけ聞くと地味ですが、対談の出来がいちばん変わるのはこの回です。

最初に、2人1組で10分の傾聴をやってもらいます。片方が話し、片方は聞くだけ。3人目が横で相槌の回数を正の字で数えます。だいたい10分で40〜60回、多い人は80回を超えます。1分あたり6回以上、つまり10秒に1回は何か言っている計算です。

数えると、自分では気づけないことが見える

回数そのものより効くのは、内訳です。「はい」「ええ」「なるほど」「たしかに」の4つで、全体の8割を占めることがほとんどでした。そして受講生の多くは、自分が「なるほど」を連発していることに気づいていません。録音を聞いて初めて、うわ、と言います。

相槌は、聞いていることの証明ではなく、話の区切りの指示です。10秒に1回「区切っていいですよ」と言われたら、相手は長い話ができません。

減らす練習の手順

2周目は、相槌の総量を10分で15回までに制限します。急に難しくなるので、代わりに次の3つを使ってもらいます。

  • うなずくだけ。声を出さずに首を1回。これで半分は代替できます。
  • 相手の最後の3語をそのまま返す。「……初めてでした」→「初めてでしたか」。相槌ではなく、続きの催促になります。
  • 黙って2秒待つ。いちばん効きますが、いちばん怖い。ここで耐えられるかどうかで、対談の深さが変わります。
向かい合って話している2人。片方が相手の話を聞いている場面
2人1組の傾聴実習。3人目が横で相槌の回数を数えます。

2秒の沈黙は、相手には1秒に感じられている

受講生に一番よく言われるのが「2秒も黙ったら気まずい」です。実際にやってもらうと、待った側は長く感じ、話していた側はほとんど気づいていません。W05では両方の立場をやってもらうので、この差はその日のうちに体感できます。

減らしたあとの10分は、たいてい相手の話す量が明らかに増えます。数字にすると、書き起こしの文字数で1.5〜2倍というのが平均的なところです。相槌を減らしたぶん、相手が埋めます。

今日からできること

次の打ち合わせで、自分の相槌を10回だけ数えてみてください。数え終わる時間の短さに驚くと思います。それがわかれば、この回でやっていることの半分は済んでいます。

← 実習ノート一覧 授業を見学する